龍馬への想い

 

 

司馬さんの『竜馬がゆく』は読み始めると止まらない。

それが原点となり司馬遼太郎さんの歴史小説を乱読する。

そのなかで『竜馬がゆく』『世に棲む日々』を愛読した。

 

 

Contents

龍馬は千載青史に残る英傑

 

 

日本史上、最高の英雄は誰かと問えば、

必ず龍馬は織田信長、豊臣秀吉とトップを競い、

しかもナンバーワンになることが最も多い。

 

 

もういっぺん生まれてきたいと思う国にしたい。

 

 

龍馬は日本にとって大変重要で危機的な時代に生まれ、

凡庸な少年時代から日本一と語られる剣術使いとなった。

しかし、それだけに満足することなく更なる夢を追い求め、

 

 

大混乱、魑魅魍魎を一刀両断した快男子であり

その足跡が多くの重要な形で開花している。

坂本龍馬は日本維新史に輝く奇跡である。

 

 

そして維新とは日本ではじめて戦うことなく政権委譲が行われた政治的出来事であり、

日本の歴史上、低い身分のままで、上に立つ人間を動かして、

重大事を成し遂げた人物は龍馬の他は皆無である。

 

 

名誉も高い職も求めず、ひたすら日本の明日を考えて生きた

龍馬の真摯な姿勢は今の政治家には見られない。

非力な政治への絶望感が多くの人々に龍馬を恋しがらせる。

 

 

教科書から消えても私たちの心に生き続ける龍馬

 

 

よくよく考えれば歴史の教科書ほどつまらないものはない。

そこから坂本龍馬の名前がなくなっても誰も気にしないだろう。

ただし、一流私立中学校、高等学校の教師はその本を薦める。

 

 

人はどうあるべきか、その真実が至る所に込められている。

近代化に躍進しながらも無謀な戦争に突き進んだ愚かさを

そして知恵と人脈、目先の知識より大意を理解する能力。

 

 

21世紀に入り、世界の勢力地図が塗り変わっている

 

 

一国の横暴で多くの弱小国が虐げられる世界にしてはならない。

他を圧倒する武力、兵器を持ち、自国優先の立ち居振る舞いは

どの国の誰もがもういっぺん生まれてきたい気持ちを萎ませる。

 

そんな愚かな時代はもうこりごりだ。

多くの人々が多大な犠牲を払い、反省し、築き上げてきたんだ。

まだまだ70点だけれども当たり前の平和を与えられている人々は多い。

 

 

司馬さんは21世紀の君たちに語りかける

 

 

僕が持っていなくて、君たちだけが持っているものがある。

未来というものである。

そして君たちはその輝かしい未来の担い手である。

 

 

人という字を見ると感動する。

支え合って生きるのが人なのだ。

 

『やさしさ』

『おもいやり』

『いたわり』

『他人の痛みを感じること』

 

 

同義語のようにも感じられる言葉である。

これらの気持ちは本能ではない。

訓練をして身に付けるものである。

 

 

友だちがころぶ。

ああ痛かっただろうな、と感じる気持ちを自分でつくりあげていきさえすればよい。

この感情が自分の中でしっかり根付づいていけば他民族へのいたわりという気持ちも湧き出てくる。

 

 

そのような自分をつくっていけば、二十一世紀は人類が仲良しで暮らせる時代になるに違いない。

鎌倉時代の武士たちは『たのもしさ』と言うことを大切にしてきた。

人間は、何時の時代でもたのもしい人格を持たねばならない。

 

 

男女ともにたのもしさのない人格に魅力を感じない。

自分に厳しく、相手にはやさしく、その気持ちを訓練することで自己が確立される。

そして『たのもしい君たちに』なってゆく。

 

 

坂本龍馬に接していて思うこと

 

 

新しい希望に満ちた自分たちの時代を求めて生きていた。

この国の未来の姿を求めて生きていた。

そのためには死をも辞さずとの気概があった。

 

 

龍馬がいて司馬さんの『竜馬』が二人して

その先の先を求めてその志に私たちを導いてくれている。

だからこそ多くの愛好家が生まれそして多くの人々に読まれるのである。

 

  大浦 愛治